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創造と反省の自作スピーカー
FE103E小型トールボーイ
バックロードホーンSP


[発想]

以前、「試作箱」として作った板を再利用して、
FOSTEXのFE103Eを使って、小型のバックロードホーン箱を作ってみました。


[設計]
今回は、端材を使っての作製なので、自然とサイズが決まってしまいます。
幅13cm×奥行き 約20cm×高さ 約1.1m という、コンパクトな中に音道を如何に押し込むかがカギになりそうです。

そこで、音道は次のようにしました。


赤線が今回の箱に相当するのですが、実際はもう少し広がり方が急だったかもしれません。
少なくとも、音道が1.5m弱しかなかったのは確かです。

音道は、最も単純なU字型を採用しました。
上記の音道の広がり方も、限られた寸法サイズから求めたものです。今だったら無理してバックロードにせずに、バスレフやダブルバスレフを試したかもしれません。


[工作]
今回は、U字型の音道を作るにあたって、
木材を順々にずらして配置していきます。

そうした工作の際は、前もって側板に板の接着位置を記入し、その上に板を載せるようにして固定すると、作業がスムーズ&ミスなく進みます。

一通り接着が完成し、音道構造が見えてきました。


空気室&スロート付近を拡大すると、こんな感じです。


最後の側板を接着する前に、本体を立たせてみると、音道構造が良く分かります。




[試聴]
まずは、周波数特性。
この時期は真面目に周波数特性が測定してあって、編集作業がやりやすいです。

「WaveGene」「WaveSpectra」使用


「MySpeaker」使用


二種類の測定ソフトを使って測ったのですが、まるで別の箱を測定したかのようです・・・(汗

これは「縦軸の設定が違う」という単純な理由なのですが、
「WaveGene」「WaveSpectra」では、非常にワイドレンジなのに対し、
「MySpeaker」では、ひどい低域不足に見えます。

では、実際にどちらが聴感に近いかというと・・・
残念ながら、低域不足の「MySpeaker」の方でしたorz

実際に聴いてみると、
非常に元気が良く活発な音で、FE103Eの魅力が素直に出せているかなぁといえます。特に、空間表現力が非常に良く、この辺は10cm小口径フルレンジの威力だと言えますね。
一方、ホーンの長さが1.4〜1.5m程度しかないのが仇となって、低音不足は非常に深刻です。150Hzまで出ているので何とか救われましたが(これは万能型フルレンジFE103Eのおかげ。)、やはり70Hz〜150Hzという低音の骨格を形成する部分が皆無というのは大問題です。

低音に大きな課題が残った本作ですが、原因は明らかです。ホーン長1.5mというのは、バックロードホーンにとって短すぎるのです。
そこで、ホーンを延長することにしたのですが、それはまた次の話で。




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