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創造と反省の自作スピーカー
FE126E+BK10 を用いた
小型バックロードホーン型スピーカー

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[発想]
これは、カノン5Dの自作初挑戦の作品になります。
当時、欲しいスピーカー(ビクターSX-LC33やオンキヨーD-302Eなど)があったものの、金銭的な関係で断念せざる得ませんでした。そこで、自作道へ走ったのです。
幸い、高校技術の延長で棚などを自作した経験があり、木工に抵抗はありませんでしたし、ラジコンをやっていたので半田ごてを使う事にも多少慣れていました。しかし、何から取り組めばよいか全く分からず、手探りのスタートでした。この時には、長岡鉄男先生の名前も知らなかったのですから。

「SX-LC33」ビクターホームページより


頼りになるのは、ネット検索だけという中、どうやら「FOSTEX」というメーカーが有名なよう。さらに調べると、長岡鉄男先生という評論家が多くの設計図を残しているとのことが分かりましたが、無料では手に入らないと思い、他の道を進む事にしました。(後日談:地域の図書館に行けば先生の著書がありました。)

市販スピーカーの常識からすれば、試聴を通して好みの音のメーカーを探すのですが、なぜか自作界は「FOSTEX」が大半を占めているよう。
それはそれで良いか、ということで、FOSTEXの中からユニットを選ぶ事にしました。

実は初めから決まっていた事として、バックロードホーン型を作りたい、というのがありました。以前、電気通信大学のとある研究室(おそらく高澤研、2010年現在 先生は定年されたようです)で、バックロードホーン型スピーカーを聴かせていただいた経験があり、その生々しいウッドベースやトランペットの再生音が忘れられなかったのです。お世辞にもクラッシックは良くなかったように思いますが…

しかし、バックロードホーンは設計が難しいとされます。そこで見つけたのがFOSTEX製のバックロードホーンキット「BK10」でした。まあ、BK10ならペア2万円以下で安価ですし、キットなら設計しないでよいので楽そうだな、と。
そして、使用するユニットは当初FF125Kを考えていましたが、ネット上の経験者の方に相談したところ「FE126E」が良いのでは?とのことなので、FE126Eを使う事にしました。
(後日談:経験者さんのお名前を忘れてしまいましたが、今でも大変感謝しております。)

[設計]
キットの作製なので設計は無いのですが、「BK10」の音道データとしては次のようになります。
空気室容量 2 L ぐらい?
スロート断面積 約50 cm^2 (17cm×3cm)
ホーン長さ 約1m
ホーン開口面積 約204cm^2 (17cm×12cm)

ただ、このBK10には10cmフルレンジ用のユニット穴しかあいておらず、FE126EやFF125Kを使うには別途加工が必要です。
電動工具などを持っていなかったので、「東急ハンズ」にフロントバッフルに該当する板を切り出してもらいました。

(図面は後日掲載予定)

[工作]
工作は特に難しいポイントも無く、取扱説明書どおりに組み立てていけば良い…はずでした。
このキットにはホゾで固定する部分があり、接着剤を溝の方に塗ってしまったために完全に奥まで差し込めなくなってしまいました。。。。
結果としては、隙間だらけの音道となり、後日隙間を塞ぐ作業を行いました。(後日談:多少の隙間は、音質的に大きな影響は無かったようです。)


[試聴]
所詮2万円で買えるキットだから…と思っていましたが、音を出して驚き。
圧倒的に爽快でリアリティのある音で、今まで使っていたミニコンポや店頭での市販SP試聴を上回る音だと感じました。完成直後はかなり満足のいく音でした。
ただ、よくよく聞き込んでいくと低音は今一歩で、サブウーハー(ヤマハYST-SW320)を併用するようになりました。ちなみに、本機単体での周波数特性は100Hz以下がストンと落ちてしまう形になりました。
吸音材は、殆ど必要でないように思います。


[後日談]
バックロードホーンの原理を理解し、ネット上のシミュレーションソフトを使うようになり、低音不足はホーンの長さ原因ではないかと思うようになりました。
そこで、スピーカーユニットのFE126Eは再利用して、新たな箱を作ることに。その話はまた次の所で。

現在、バックロードホーンキット「BK10」は販売終了となりました。
長岡鉄男の設計図面では「D-10」というバックロードホーン箱が、類似の設計になります。


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