作製方針は「1-1はじめに」で定まったので、
スピーカー箱の設計に入ります。
今回はFE83Eの取扱説明書に掲載されている「標準箱」を作ることにします。(注:現行ユニットFE83Enの標準箱とは異なる場所があります。)
標準箱を見てみると、
箱の内容量 (ダクト部含む) | 16cm(幅)×16cm(奥行き)×27cm(高さ)
=6912cm^3≒6.9L |
ダクト半径 | 4 cm ÷ 2 = 2 |
ダクトの断面積 | 半径^2×π≒(4cm÷2)^2×3.14=12.56cm^2 |
ダクトの長さ | 5cm |
であることが分かり、「講座:第13回」で紹介したバスレフ共振周波数の式に代入すると、
共振周波数(fd)は82.6Hzだと分かります。
もちろん、取説の内容をそのままやってもよいのですが、
工作難易度を下げるため&音質アップのために、ちょっと工夫をしようと思います。
まず、箱の形を若干変更します。
標準箱では、幅16cm×奥行き16cmと同じサイズが二面存在し、これはクセのある音の原因となる定在波を生む危険性があります。そこで今回は、幅17cm×奥行き15cmとすることで、定在波の悪影響を避けようと思います。
次に、標準箱ではダクト部分が円柱(工作では塩ビ管を使用)となっており、工作難易度を高めています。
そこで、今回はダクト部分を木材で構成しようと思います。
長さと断面積を変えなければOKというのは「講座:第11回、13回」でお話した通りで、
今回は一辺が36mmの正方形の断面積を持つダクトとして設計/作製します。
では、まずは概要図から。
<クリックで拡大>
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これを、板取図に直すと、
<クリックで拡大>
ただし、この切り方は910mm×910mmの板ギリギリなので、お店によっては「無理ですねぇ…」と言われてしまうかもしれません。その場合は、次の板取りをオススメします。
<クリックで拡大>
どちらも、使用する板は910mm×910mm×15mm厚を想定しています。
図面内で「A」「B」とか書いてある場所は、それぞれフロントバッフルと裏板に相当する場所で、
概要図に沿って(本ページ上から二枚目)切ってもってください。
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