さて、スピーカーを作るわけですが、今までは考えやすいように板の厚さを無視してきました。
もちろん、実際はそうではなく、ある程度の厚さの板を使うのですが・・・
そこで問題になるのは『どのように板を組むか』ということ。
「ホゾ」や「ダボ」といった難しい技は必要なく、ただ接着するだけなのですが、
いろいろな組み合わせがあるのです。
たとえば、こういう普通の形のスピーカーを作る時
四角の枠を作ってから、前後の板で挟むように作ると、下のようになります。
イメージ的にも分かると思いますが、バッフル(前面の板)が確実に保持されるので、音質的に有利とされています。
他にも、こんな形も可能ですね。
これは、左右の板で挟むような構造ですね。実際に制作する時は、
片方の側板に前後上下に相当する板を貼っていくので、制作が容易な形だと言えるでしょう。
バックロードホーンの作例の多くは、制作難易度を下げるためにこの形を採用しています。
他にも、こんな形はどうでしょうか。
上下の板で挟むので、底(もちろん天板も)平面になり、設置した際に安定しやすい形だと言えますね。
もちろん、他の組み方も考えられるので、設計意図に合わせて選ぶことになります。
さて、次は板の厚さですが、市販スピーカーを見ての通り、厚い板厚は音質的にも多くの利点があります。
ただ、板の厚さは直接「材料費」「重さ」「寸法」に反映されてしまうので、
無闇に板を厚くするのは考え物です。
結局、自作スピーカーでは
小型卓上スピーカー | 12mm厚 |
ブックシェルフスピーカー | 15mm・18mm厚 |
トールボーイ・大型スピーカー | 15mm厚以上 |
この辺が主に使われるようですが、「薄い板を用いて箱を適度に鳴らす」
「厚い板を用いて正確な音再生を目指す」といった設計意図によって異なってくるところです。
そして大型スピーカーでは、例えば15mm厚の板を二枚貼り合わせて30mm厚の板として利用する、
という方法もあります。
<<[第24回]へ戻る
[第26回]へ進む>>
トップページ
>>初心者の自作スピーカー講座 目次
>>第25回