トップページ >>創造と反省の自作スピーカー >>2010〜2011年 >>2010年7月頃 (S-014)

創造と反省の自作スピーカー
FOSTEX FE83E 鳴門型バックロード


[発想]

バックロードの設計は、ホーンの形を悩むところがあります。
そんな中で、できるだけスムーズな音道設計を考えてみました。



「鳴門」をイメージした音道で、
癖の無い低音を狙います。

[設計]

設計としては、この図の通りです。
直角の接合部が無いので、数字どおりの組立は難しかったと記憶しています。

バックロードとしての基本的な数値は以下の通り。
空気室容量 0.8(L)
スロート断面積 24(cm^2)
スロート絞り率 85(%)
クロス周波数 300(Hz)
ホーン長 2.5(m)
ホーン広がり率 0.68
開口比 5.5倍

[工作]
側板を先に切断します。

上から順に、組み立てていきます。

これがスロート部分になります。


だんだん、全容が見えてきましたね。


立てるとこんな感じ。


あとは、最後の側板を接着するだけです。

完成!



[試聴]
非常に中低域が厚く、濃厚な音です。
「ホーホー」いうホーン鳴きは皆無なのですが、 ホーンロードが中域まで効いており、それが全体的なバランスを決めているようです。

低域は良く聴けば出ているようですが、強大な中低域(200Hz〜1kHz)に隠れてしまい、低域不足のように聴こえます。 高域も、やはり中低域に隠れてしまっている感じです。

最大の失敗要因は、やはり空気室とスロート断面積の比率だと思われます。計算上のクロス周波数は300Hzであり、通常のBH(200Hzが好ましいとされる)と比較して、ずっと高い値になっています。
また、重低音量感の乏しさは、ホーン広がり率に起因するものでしょう。
ホーン広がり率は、最低でも0.8程度欲しいものです。

この辺を改善できれば、スムーズな音道を生かした良好な再生音が得られるかもしれません。
ただ、ホーンの構造上、奥行が大きいのは避けられない欠点ですね。


軸上1m特性

(測定系の調子が悪かったため、参考程度でお願いします。)




作製当時の日記は、こちらから。
[2010年06月26日] 「鳴門型バックロードホーン」
[2010年07月04日] 「木工作業 三本セット!」
[2010年07月17日] 「FE83E用 鳴門型バックロードホーン箱の作製」
[2010年07月18日] 「FE83E用 鳴門型バックロードホーンの試聴・測定」
[2010年07月18日] 「FE83E用 鳴門型バックロードホーンの反省と対策」





トップページ >>創造と反省の自作スピーカー >>2010〜2011年 >>2010年7月頃 (S-014)


inserted by FC2 system