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創造と反省の自作スピーカー
FE103E, FE126E 田中式バックロード


[発想]

FOSTEXのFE103Eを使ったスピーカーを作る中で、日本の高級ユニットメーカーFeastrexに関係の深い田中誠氏が発案した箱に挑戦してみることにしました。

設計思想としては、以下のページを見ていただければ分かると思いますが、
http://www.nexyzbb.ne.jp/~tanbashikki/essay41.html
従来のバックロードホーンや共鳴管の持つ長所を巧みに取り入れたものだと思います。



[設計]


今回はFE103E(キャンセルマグネット付)を使うので、それぞれの断面積は
Aの断面積=150平方センチメートル
Bの断面積=75平方センチメートル
Cの断面積=200平方センチメートル
エンクロージャーの総高さ=900mm
としました。


(縦軸が断面積[cm2]、横軸が管端からの距離[cm])

コニカルホーンの形状なので背板が斜めになってしまいますが、個人的には機能美の一種だと考えていますw

また、前板と側板のみを15mm厚、それ以外を12mm厚のラワン合板で構成します。
長岡式バックロードホーンからすれば薄い板厚ですが、 http://www.nexyzbb.ne.jp/~tanbashikki/essay42.html
という考えから、あえて薄くしています。


[工作]
今回は、木の切断を「フロア・フローリングのアウトレット建材屋.net」さんにお願いしました。丸カットは自分でやります。

構造としては簡単で、下記のようになります。


今回は、内側を油性ウレタンニスで塗り空気抵抗の減少を狙います。


完成直前。後は、側板を貼り付けるだけです。


完成!





[試聴]
なぜか、FE103Eを搭載したBHは周波数特性をとっていませんでした。
一応聴感上では50Hz付近まで聞き取れるのですが、量感は少ないようです。さらに、逆相感のある音が追い討ちをかけてくる感じですorz
ホーン開口部の音を聴くと、ユニット裏の音がそのままワンワン出てきている感じで、あまり低音増強として機能していないようです。

そこで、完成早々にユニットをFE126Eへ交換しみました。

まずは、ジグソーで穴を大きくします。


FE126Eを突っ込んで完成です。



この周波数特性を測ってみたのですが、測定系の調子が悪く参考程度でお願いします。

軸上1m特性


ホーン開口部特性


音は、FE126Eの明るさが前面に出てくるサウンドだったと思います。このユニットで量感豊かな低音を得るには、大きなバックロードホーン箱が必要で、ちょっとこの田中式箱では力不足だったかもしれません。

同じように、田中式バックロードにFE126Enを搭載した作例を作った方もいらっしゃり、やはり低音不足だったと報告しています。
[2010年03月07日] 「新スピーカー設計[その1]」

そういった報告に対し、発案者の田中氏も「FE103En-s、FE108EΣ、FF125Kでは、部屋を揺るがすような低音が出ましたが、しかし、FE126En、FE103Enではさっぱりでした。」と言っています。

Feastrexは、やや重めの振動板に超強力な磁気回路と硬いダンパーを組み合わせたユニットで、それが共鳴管の駆動にマッチしていると考えています。 FOSTEXの旧型ユニット「FF125K」はそれに近い特性(振動板がやや重い)なのに対し、FE126Enはバックロードホーンに特化した軽量振動板を搭載しているのが勝負の分かれ目だったのでは?と考えています。



作製当時の日記は、こちらから。
[2010年03月07日] 「新スピーカー設計[その1]」
[2010年03月15日] 「予想以上の早さ![スピーカー]」
[2010年03月22日] 「木材到着」
[2010年03月22日] 「ジグソー作業終了」
[2010年04月04日] 「音箱製作、続けてます」
[2010年04月29日] 「田中式バックロード、完成。」
[2010年06月26日] 「stereo誌7月号 と 田中式バックロードホーン」
[2010年07月19日] 「FE126E+田中式バックロード」





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