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創造と反省の自作スピーカー
FE126E用延長ホーン
シュノーケル


[発想]
前回の大改造でFE168EΣに追い出されたFE126E。
BK10箱は12cmユニットに適合するのですが、如何せんホーン長が短すぎて低音が出ません。では、ホーンを延長するパーツを作製すれば、上手く低音が出てくれるのでは?と思いました。

「延長する」と一言で言っても、色々なパターンが考えられます。本作では、ホーン前面から側面に管を伸ばし、さらに上へ上がる音道としました。
名づけて、「シュノーケル」です。


[設計]
まず、思ったとおり「ホーン延長→低域増強」となるのか確認することから始めました。
そこで、ダンボール(!)を使い試作です。


ダンボールを使って、音を後ろ側へ放出します

ダンボールを使ったホーン延長は大成功。写真の状態で音道を50cm程度延長したことになりますが、今まで聴くことの出来なかった量感のある低域が出てきました。

実験結果が良好だったのに気をよくして、本設計開始です。
理想的なホーン動作をする「エクスポネンシャル曲線」に沿ったホーン形状で、70cm程延長する事にしました。


(これは音道の目安です。実際は直管の連続です)

本体サイズ (高)600mm×(幅)300mm×(奥)400mm

空気室容量 約2 L
スロート断面積 約50 cm^2 (17cm×3cm)
ホーン長さ 約1.7m
ホーン開口面積 約400cm

グラフを見れば一目瞭然ですが、ホーンが伸びた結果、ホーン開口も大きく(2倍以上?)なっています。

[工作]
残念ながら、余り写真が残っていませんでした(汗
MAKIZOUさんの優秀な木材カットのお陰で、労せず組みあがったのでしょう。ちなみに、材質はシナ合板です。

では、完成後の写真を。

これは普通のBK10です。


延長パーツ (1)+(2)


延長パーツ (1)+(2)+(3)




[試聴]

ホーン延長の効果は確実にありました。
今まで全く出なかったウッドベースや和太鼓もしっかり再生。
バッフル面が大きくなった分、中高域は大雑把な表現になるものの低域とのバランスは良好です。ユニット手前部分に吸音材を敷くことで反射を抑えるとなおGOODでした。

f特は測り忘れていたのですが、sin波を鳴らすと80Hz付近まで鳴っていました。

なぜかインピーダンス特性の測定がしてあったので、その結果を貼ります。


ピークが全体的に左側にシフトしており、ホーン延長が確実に効いているのが分かりますね。


[後日談]
音質的には良バランスだった本機。
ただ、「ずんぐり」体格なので自作スピーカーで大混雑の部屋では即刻撤去されることに。
頑張っていた低域も、12cmフルレンジならもっと重低音域を…と思うようになりました。

FE126Eは優秀なユニットだけに、つい要求も高くなってしまうようです。




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