前回は、「共振」という物理現象に注目しましたが、
今回からスピーカーのお話です。
まずは、スピーカーユニットの典型的な例を。
[参考]DIY-Sound スピーカーユニットの動作方法
ここで、前回のポイントを思い出してもらうと…
『質量をもつ物体が弾性がある物体(ゴムなど)で支持されていると、共振できる。』
というのがありましたね。それを、スピーカーユニットに適用すると…
このように、「質量をもつ物体」と「弾性がある物体で支持」の条件を満たしているので、スピーカーの振動板は共振するのです。
(この話は、スピーカーの最低共振周波数の話をしています。分割振動はまた別の機会に。)
さて、皆さんご存知の通り、スピーカーの中では
磁場中にあるボイスコイルに電気が流れることで、電気エネルギーが運動(音響)エネルギーに変換されています。
これは、フレミング左手の法則に基づいています。
フレミング左手 Wikipedia
そして、共振状態のように振動板の動きが著しい場合は、振動板の運動から電気エネルギーが生み出されます。
これは、フレミング右手(発電)の法則になります。
フレミング右手 Wikipedia
前回の話の中で、
『共振が起きている時、支点の力の向き と 物体が動く向き は同じ方向である。』という法則がありましたね。
この事と、フレミング左手&右手を合わせて考えると、
共振周波数の時の「アンプからの電力」と「ユニットが発電する電力」は、次の図のような関係になります。
ここで注目してほしいのが、「アンプからの電流」と「起電力」が反対の向きを向いているということです。
反対の向きに流れようとするので、この起電力を「逆起電力」と呼ぶのです。
さて、インピーダンスの理解まであと一歩です。
次回は、逆起電力の大きさからインピーダンス特性を計算してみます。
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