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のーと 002
「共振とは?」
更新.2012.01.16
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ここから何回かにわたって、スピーカーユニットの動作原理を考えてみます。これはスピーカーの設計に非常に重要なので、知っていて損はないはずです。

スピーカーユニットの特性表を見ていると「最低共振周波数」や「共振先鋭度」といった言葉が出てきますよね。
では「共振」とは何なのか、ここで考えてみようと思います。


ここでは、日常の例を二つあげようと思います。
共振する物体

お祭りの「 ヨーヨー水風船 (ヨーヨーつり)」をイメージして頂きたいのですが、
小さな手の動きで、「ゴムひも」の先にある風船が大きく動きます。


一方で、こんな例はどうでしょう?
共振しない物体
「つり糸」と、「釣り針」の関係のように、
手元の小さな動きは、そのまま先まで伝わります。


もうお分かりかと思いますが、
「ヨーヨー水風船」は「共振する」のに対し、
「つり糸・釣り針」は「共振しない」のです。

ここでのポイントをまとめると…
『質量をもつ物体が弾性がある物体(ゴムなど)で支持されていると、共振できる。』


では、共振している時の力の関係はどうでしょう?

なかなか日常生活では経験できないのでが、
『共振が起きている時、支点の力の向き と 物体が動く向き は同じ方向である。』
という法則があります。

これは、物理の「強制振動」に関係する法則で、
共振周波数では「物体の動く向き」と同じ向きに常に力が加わるため、が外力が系になす仕事率が最大になり、振幅はほぼ最大になるのです。
(詳しくは、「強制振動」でweb検索してみてください。)

[参考] 久我隆弘のホームページ 物理学教育、市民講座、啓蒙活動
2006年7月 基礎物理学実験  減衰振動・強制振動 (pdfファイル)

さて、次回はスピーカーの振動板の共振と逆起電力について考えてみます。




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