ここから何回かにわたって、スピーカーユニットの動作原理を考えてみます。これはスピーカーの設計に非常に重要なので、知っていて損はないはずです。
スピーカーユニットの特性表を見ていると「最低共振周波数」や「共振先鋭度」といった言葉が出てきますよね。
では「共振」とは何なのか、ここで考えてみようと思います。
ここでは、日常の例を二つあげようと思います。
お祭りの「 ヨーヨー水風船 (ヨーヨーつり)」をイメージして頂きたいのですが、
小さな手の動きで、「ゴムひも」の先にある風船が大きく動きます。
一方で、こんな例はどうでしょう?
「つり糸」と、「釣り針」の関係のように、
手元の小さな動きは、そのまま先まで伝わります。
もうお分かりかと思いますが、
「ヨーヨー水風船」は「共振する」のに対し、
「つり糸・釣り針」は「共振しない」のです。
ここでのポイントをまとめると…
『質量をもつ物体が弾性がある物体(ゴムなど)で支持されていると、共振できる。』
では、共振している時の力の関係はどうでしょう?
なかなか日常生活では経験できないのでが、
『共振が起きている時、支点の力の向き と 物体が動く向き は同じ方向である。』
という法則があります。
これは、物理の「強制振動」に関係する法則で、
共振周波数では「物体の動く向き」と同じ向きに常に力が加わるため、が外力が系になす仕事率が最大になり、振幅はほぼ最大になるのです。
(詳しくは、「強制振動」でweb検索してみてください。)
[参考]
久我隆弘のホームページ 物理学教育、市民講座、啓蒙活動
2006年7月 基礎物理学実験
減衰振動・強制振動 (pdfファイル)
さて、次回はスピーカーの振動板の共振と逆起電力について考えてみます。
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