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のーと 001
「自作する意義」
更新.2012.01.07

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自作とは、自分で作ることです。
「なぜ、作るのか?」を今一度考えてみます。

「自作なら、安く作れる」というのは一つの答えでしょう。
確かに、自分で作れば材料費のみでOKです。

しかし、今のご時勢、お店に行けば非常に優秀な商品を安く買うことができます。1万円もあれば、かなり良いアクティブスピーカーを買うことができる時代になりました。
しかも、メーカー製品は大きな外れがありません。少なくとも音が出ることは保障されてますし、ある程度高級なスピーカーであれば周波数特性だって見事なものです。


では、なぜ作るのか?

今のところ、私の答えは二つです。
「自分にフィットしたものが作れるから」
「作るのが楽しいから」


前者を考えてみます。
まず、音の好みというのは非常に千差万別です。ある人が絶賛したものであっても、もう一人は全くピンと来ない…なんてことは日常茶飯事です。

メーカーは万人が満足するよう必死の努力を日夜続けていますが、それが「自分の耳」「自分の感性」にフィットする保障はありません。どんな音楽家や評論家が絶賛する製品であっても、結局は自分の耳に合うかが全てです。

それならば、自分で「自分のために」一から作ってみようではないか!
そんな発想が、自作への道しるべとなっていますね。


一方で、後者はもっと原始的です。楽しいから作る、それだけです。

「楽しさ」というのは人それぞれですが、私にとって自分が妄想したものを形にしていく過程はワクワク・ドキドキの連続なのです。

もちろん、上手くいかないことも多々あるでしょう。しかし、絶対安全というのは有り難いことですが、趣味としては味気なく感じるものです。挑戦があるから、落胆もあるし、上手く行けば最高の喜びに出会えるのです。


最近になって気付いた楽しさとして「仲間意識」があります。
自分は今、一人でスピーカーを黙々と作っています。しかし、同じように頭を悩ませ、理想の音を目指して七転八倒している人は古今東西に沢山いるのです。

Western Electricの技術者達、JBLの創始者ジェームス・B・ランシングといったオーディオ創成期を支えた人たち。パイオニア、DIATONE、YAMAHAで数々の名機を生み出した日本の技術者たち。評論家として数々のスピーカーを作った長岡鉄男氏。ソナスファベールの創業者フランコ・セレブリン氏、TADのサウンドプロデューサー アンドリュー・ジョーンズ氏など。

歴史上に輝くスピーカー作りの巨匠たちも、スピーカー作りを志す土俵の上では、皆友達であり同士なのです。誰もが理想の音と現実のギャップに悩み、苦戦し、それでも貪欲に音質を求め、そして満足がいく作品ができた時の喜びを知っているのです。
もちろん、今スピーカーを作ろうとしているあなたも傍観者ではなく仲間です。これって凄いことだと思いませんか?


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