この講座では、いろいろなスピーカー箱を紹介してきました。
今回はそのまとめ的な役割で、それぞれの利点欠点を書いていきたいと思います。
箱の方式 | 利点 | 欠点 |
平面バッフル | 開放的な音が楽しめる 製作が非常に容易 |
低音が出ない 大型となる |
後面開放 | 開放的な音が楽しめる 容易に製作可 平面バッフルより小型 |
低音が出ない |
密閉 | 正確な低音再生 容易に製作可 |
低音量感が不足しがち |
バスレフ | 十分な低音量感 小型化が可能 バランスの良い再生音 |
音が市販スピーカーに近くなる ≒自作特有の音とはいえない |
ダブルバスレフ | 低音域をさらに拡張できる 製作が比較的容易 |
緩く遅い低音 明確な設計手法がない |
バックロードホーン | 軽快な低音 高能率ユニットが使用可能 自作ならではのスゴイ音が追求可能 |
設計が困難 癖のある中低音がでやすい 大型になりやすい |
共鳴管 | 開放的な低音 超低域まで容易に拡張可 製作が比較的容易 |
不要共鳴音の併発がある 低音不足となる場合がある |
音響迷路 | 製作は比較的容易 |
作例が少ない 積極的な低音増強は得られない |
といったところでしょうか。
この講座では、
設計・製作が初心者でも容易、かつバランスの良い再生音が望める「バスレフ型」
と
自作スピーカー特有のスゴイ音が楽しめる「バックロードホーン型」
の説明をメインに進めていきたいと思います。
補足ですが、
初心者さんにとって一番の懸案事項は
「ちゃんと完成できるか?」「良い音が出せるか?」
ではないでしょうか。
一昔前はノゴギリで板材から切り出していましたが、現在はネットの木材通販ショップが充実しているます。失敗の主な原因は、精度の悪い木材を無理に組もうとする時に起こるので、講座 第2回で紹介したような キット や 木工ショップ の手助けを借りれば、難易度は非常に低いといえます。
そして、やはりオーディオ機器なのでクオリティは大切にしたいですよね。
中高音のクオリティは、ユニット選択で決定されます。初心者に最適なフルレンジスピーカーであっても、近年は飛躍的にクオリティが上がっており『学校にある放送用スピーカーのような篭った音…』になることは絶対にありません。
日本の老舗メーカーである「FOSTEX」のユニットであれば間違いないでしょう。
低音のクオリティは、ユニットと箱の両輪で決定されます。やはり大口径ユニットが低音再生では有利なので、口径は10cm〜20cmが好ましいでしょう。
そして、ユニットに合う箱を用意してやること・・・この辺は「講座 第10回」で。
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