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初心者の自作スピーカー講座
第7回
いろいろなスピーカー箱 〜その4〜

「共鳴管」「音響迷路」「その他の新方式!?」

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さてさて、スピーカー箱の形式紹介も今回が最終回。今回は「共鳴管」 と「音響迷路」を紹介していきたいと思います。


「共鳴管型スピーカー」とは、その名の通り「管」の「共鳴」を利用して、低音を増幅する 方法です。

「共鳴」に関しては、高校の物理で学んだと思いますが、簡単にまとめておきます。
管があるとき、以下の画像のように、その長さに応じた波長の音が強められます。
波動 振動する気柱 (参考:「NHK高校講座|物理|第16回 波動 振動する気柱」)
これが共鳴の原理です。

音速を340mとすると、管の長さが3.4mの時
基本振動では約25Hz
3倍振動では約75Hz
5倍振動では約125Hz
の低音が共鳴によって増強されます。 この管にスピーカーユニットを取り付けてみると・・・
共鳴管このようになりますね。
この場合、上に書いた「共鳴」現象によって低音が増強され、「共鳴管型スピーカー」となります。

ただ、これでは奥行きが数メートルのスピーカーになってしまうので・・・
共鳴管(一回折り返し)このように折り曲げるのが一般的です。
といっても、十分な低音再生のためには長い管が必要なので、スピーカーの高さは短くても1m、 なんと3m以上の高さの物も製作されています。

それでは、もっと折りたたんでコンパクトにしてみると・・・
共鳴管/音響迷路こんな感じになるでしょうか。
ただ、この場合、折り返しが多すぎて「一本の管」として共鳴しなくなってしまいます。
そんな事から、共鳴管として製作する場合『180°の折り返しは1回まで(つまり「Uの字型」)』という経験則があるそうです。

沢山折り返しのある管の場合、ユニット裏から出てきた音は、共鳴による低音増強を得られ ることなく、長い管を通って出てくる事になります。
折り返しのある長い管を通っているうちに、(吸音等により)高音は減衰して低音だけが残ります。
この残った低音で低音増強を得ようという箱は「音響迷路型スピーカー」となります。

ここまでで、大部分の事をお話してきました。
あとは、それ以外の動作をする(と主張する)方式として
「JSP研究所 JSP方式スピーカー」
「ナチュラルダクトスピーカー」
等がありますね。
私自身よく分からない部分も多いので、ここでの説明は省略させていただきます。

さてさて、多くの箱の形式を説明してきました。
次回は、それぞれの長所短所をまとめていきたいと思います。


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