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初心者の自作スピーカー講座
第30回
音の調整〜吸音材・エージング〜



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ようやく、スピーカーの完成です。
苦労を重ねて作ったスピーカーの第一声はどうだったでしょうか?

良い音なら文句ないのですが、
「どうも納得がいかない」、
ましてや、「低音不足・・・」となれば、箱の設計・製作失敗が頭をよぎります・・・

でも、少し待ってください。
「エージング」という慣らし期間が、スピーカーにはあるのです。



[エージング]

新品の車をイメージして頂ければ分かるように、
エンジンを含む部品は、ある程度慣らし運転をしないと本領を発揮してくれないのです。

これは、スピーカーにも同じ事です。
エンジンの場合、細かな凹凸やパーツの癖などが慣らし運転によって改善していくのだと思いますが、
スピーカーの場合は、スピーカーユニット・木材・使用したパーツ類が、徐々に馴染む事によりエージングは進行すると言われています。

このエージング期間は、一ヶ月程だと言われていますが、特別なことをする必要はありません。普通に鳴らしていればエージングは進行するものですし、そもそもエージングで激変することはありません。

特にバックロードホーンで「エージングで激変した」というのは、耳が癖のある音に慣れたか、聴くソフトが限定されてきた程度だと考えています。
効果としては、ちょっと音が滑らかになる…程度だと考えたほうが良いでしょう。


[吸音材]

もう一つ、手を加えるべきポイントがあります。
それが、吸音材です。

本講座の序盤でお話したように、ユニットの裏からも音は出ています。
その音が、箱内部で反射して、再びユニットの場所に戻ってきます。
ユニットの振動板は、薄い紙で出来ているので、箱内部で反射した音はそこから出て行き、再生音を濁してしまうのです。


そう、これを防ぐのが吸音材なのです。

吸音材にも何種類かあり、
吸音材の種類用途
グラスウール 昔から使われている吸音材で、爽やかな音質傾向にあるとされています。
ただ、触るとチクチクして不快なことから、私としては他の素材をオススメします。
ニードルフェルト 肌に優しく、温かみのある音質傾向になるとされています。
ミクロンウール肌に優しい超微細ガラス繊維でチクチクせず、爽やかな音質傾向とされています。

どれを選ぶかは、お好みで決めて良いでしょう。

他にも何種類かあるのですが、ホームセンターで見つけたオススメの素材として…

水槽用ろ過フィルター
数百円で買える素材ですが、非常に音質的に優れていると思います。特に癖を感じさせず使いやすい素材だと思います。

和紙、(習字用)半紙、障子紙
こちらも安価に買える素材ですね。やや高域が吸われがちですが、音を効果的吸ってくれる吸音材です。


吸音材の種類・使用する量・使用する場所
によって、色々と音質がコントロールできるので、気の済むまでトライしてみましょう。
注意点としては、入れすぎてしまうと音に活気がなくなったり、低音が出にくくなったりと、音に悪影響があるので、『適量』が重要ですね。



こうして出来上がったスピーカーは、相当高いクオリティを持っています。
もし、中高域の特性が「キンキンする」「抜けが悪い」等と不満が残るようであれば、それは、スピーカー以外の点の問題である事が多いです。
スピーカーの置き方、アンプ・CDプレーヤーの置き方・電源供給方法、各機材をつなぐケーブル、室内の音響状態(ルームアコースティック)
といった、オーディオ的な『使いこなし』を実践する事で、かなり満足のいく音が得られるはずです。




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