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初心者の自作スピーカー講座
第20回
BH型スピーカーの設計
〜その7 (実践編)〜

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その1〜5で、ホーンの『空気室』と『ホーン』に関する説明をしてきました。
今回は、第19回の後半で例に挙げたFOSTEXの「FE126E」用ホーン
スロート断面積53.2 (cm^2)
ホーンの長さ2 (m)
広がり係数0.97

を箱の形に収める事を目標とします。

まず、今回作るホーンの形は、簡単なものとして
バックロードホーン
を例に挙げて説明していきます。


さて、とりあえずA4かB5の大きさの白紙を用意して、この概形を描く事から始めます。今は適当でOKです。
メモ書きなので、縮尺は10分の一、つまり実際の10cmが1cmとして紙の上に描かれる位に小さく描くのがオススメです。

まず、トールボーイ型として使いやすいであろう、高さを90cmに決めます。 奥行きは、長い方がホーン長を長くできますが、BH型スピーカーとして実用的で作製しやすいのは奥行き45cm以下でしょう。

というわけで今回は『高さ90cm 奥行き35cm』を基準とするので、縦9cm 横3.5cmの長方形を描きます。
設計図1

次に、ホーンの開口を決めるのですが、その前にスピーカーの横幅を決める必要があります。
横幅は、スリムな方が見栄え・設置性もよく、音場再現性に優れ、 スロート断面が正方形に近づくため良好なのですが、 細すぎるのも厄介で、スピーカー箱体積を確保する関係上、「高さ(・奥行き)」が大きくなってしまいます。
逆に、幅が広すぎる状態も、(後で説明しますが)スロート断面が平たくなりすぎる為、避けるのが基本です。
結局の所、ホーンの横幅は『使用するユニットの公称口径の1.5倍』辺りでしょうか。
ちなみに、これはホーンの横幅であって、スピーカーの横幅は左右の板厚を含んだ長さになります。

今回は12cm口径ユニットなので、横幅は・・・
12×1.5=18 (cm)
となります。そこで、前回作った表を用いて、
ホーン高さ
C列を「ホーンの高さ」を表すため、断面積÷18とします。
そして、以前説明した「オートフィル」を使って、下まで伸ばします。
これによって、スロートからの距離が200(cm)の所のホーンの高さが約20cmだと分かりました。

これで、左下のホーン開口が決まったので、図に書き込みます。

設計図2
後は、スロートの高さを同様に求めて、間を適当につなぎます。後で合わせるので、適当でOKです。
設計図3
これで第一段階終了。


この図を使って、スロートからの距離を書き込んでいきます。縮尺が10分の1なので、 測った距離の10倍が実際の距離に相当します。 (縮尺1/10としたのはこの為です)

設計図4<クリックで拡大>

あとは、それぞれの場所におけるホーンの断面積(それに対応する高さ)をエクセル表を見て図に記入します。 もちろん、エクセルは10cm刻みでしか表を作っていないので、ある程度は想像して記入します。
設計図5<クリックで拡大>
長い直管部分には2つの値を記入しているので、この場合は平均をとります。
設計図6<クリックで拡大>
この青字が、板と板の間隔となります。
これで、大まかな設計は終了です☆

あとは、これを正しい寸法に合わせていく作業です。


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