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初心者の自作スピーカー講座
第12回
バスレフ型スピーカーを設計しよう
〜その2 (理論編)〜

更新前ver (2011.08.18以前)

前回は、標準箱の『箱の容量』『ダクトの断面積』『ダクトの長さ』を変えないことで、簡単にオリジナル設計に なることを書きました。 今回は、どの周波数の音が強められるかを考えてみましょう。
ここで、バスレフの動作をおさらいしてみましょう。
バスレフ箱原理
(参考:講談社 新装版 世界でただひとつ自分だけの手作りスピーカーをつくる)

バスレフ箱は、箱の部分の空気が『バネ』として、ダクト内部の空気が『錘』として働きます。
これは、ある一定の周波数で振動するのですが、この周波数が共振周波数でしたね。

この共振周波数は、次の式で求まります。
共振周波数 f =共振周波数(Hz)
  S =ダクトの断面積 (cm^2)
V =箱の容量 (L)
l =ダクトの長さ(cm)
r =ダクト半径 (cm)

ここで、前回に挙げたFOSTEXの「FE103E」というユニットの標準箱を見てみましょう。  
箱の内容量
(ダクト部含む)
16cm(幅)×16cm(奥行き)×27cm(高さ)
=6912cm^3≒6.9L
ダクト半径5 cm ÷ 2 = 2.5
ダクトの断面積半径^2×π≒(5cm÷2)^2×3.14=19.625cm^2
ダクトの長さ6cm
これより、この場合は
V=6.9
S=19.625
l=6
r=2.5
を式に代入することになります。

そうすると 
共振周波数 数値代入
なので、93Hz付近がバスレフ効果によって増強される事になりますね。

FE103E取扱説明書の説明を見ると・・・
『内容積は6リッターとしダクトのfdは95Hzに設定しました』
とのこと。この計算式が正しいことが分かりますね。

ちなみに、長岡鉄男先生の著書には以下のような式が掲載されています。
共振周波数2
r=ダクト断面積に相当する円の半径(つまり、ダクト半径)(cm)
こちらも、共振周波数を求める式です。使いやすい方を選ぶと良いでしょう。
ちなみに、どちらかというと前者の式の方が正しい式と言えます。

そして、ご存知の通り、スピーカー箱の中には吸音材を入れたりします。
そんな事から、計算式通りの値とはいきませんが、大体の見当はつくでしょう。
(逆に言うと、誤差は±5Hz程度あり、机上で悩みすぎるのは禁物です…)


次回は、完全オリジナル設計をすると同時に、設計のコツを説明していきます。


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