それでは、いよいよバスレフ型スピーカーを設計してみましょう。
とは言うものの、それほど難しくない方法を紹介します。
以前説明したようにバスレフ型は『箱の容量』と『ダクトの断面積』と『ダクトの長さ』で動作が決まります。
そこで今回は、FOSTEX製のユニットには、取扱説明書に『標準箱(推奨箱)』として
作例が掲載されているのでそれを参考にしましょう。これは、ユニットの特性を熟知したメーカーが推奨している箱なので、
これを基本として設計してやれば良いのです。
それでは、FOSTEXの10cmユニット「FE103E」の取扱説明書に掲載されている標準箱を見てみましょう。
(参考;FOSTEX FE103E 取扱説明書)
これより標準箱では次のようになっている事が分かります。
箱の内容量(ダクト部含む) | 16cm(幅)×16cm(奥行き)×27cm(高さ)=6912cm^3≒6.9L |
ダクトの断面積 | 半径^2×π≒(5cm÷2)^2×3.14=19.625cm^2 |
ダクトの長さ | 6cm |
ちなみに、表中の『 ^ 』というのは『〜の〜乗』を表すものです。『3^2』は『3の2乗(つまり3×3)』となります。
そして、『cm^2』は『平方センチメートル』 、 『cm^3』は『立法センチメートル』を表します。
さて、本題に戻りましょう。
この表にまとめた3項目『箱の容量』『ダクトの断面積』『ダクトの長さ』がバスレフ型スピーカー設計の要です。
この3つを変えないようにすれば、標準箱とほぼ同じように動作します。
例えば、こんな感じのトールボーイ風に・・・
ダクトの断面は長方形ですが、断面積は標準箱とほぼ同じ20cm^2。
ダクトの長さも約6cmとなります。
箱の内容量は約11.3Lと大きめですが、内部に木片や小石を入れて少なく調整することができます。
こんな感じで、『箱の容量』『ダクトの断面積』『ダクトの長さ』を変えずに少し手を加えるだけで、
オリジナルの設計となるのです。
今回は、理屈抜きで簡単に設計できる方法を書きましたが、次回は少し理論的な事も考えてみようと思います。
更新前ver (2011.08.18以前)
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